訪問介護してる友達が「訪問辛い。転職したいんだけど、施設の介護って良いところある?」って聞いてくるの。なんて答えたらいいかわかんないよー。
じゃあ、今日は施設介護についてレクチャーしてあげよう!
施設介護は訪問介護と対になる介護形態です。
介護士の働き方の観点から見ると、施設介護と訪問介護では環境が大きく変わってくると想像できます。
ですが、具体的な環境にはどのような違いがあって、働く上でどんなメリットやデメリットがあるのか、なかなかイメージできていない方も多いのではないでしょうか?
この記事は介護施設での働き方について知りたい人のために書きました。
- 介護施設での働き方ってどんなだろう?
- 介護施設で働くメリットとデメリットは?
この記事を読めば介護施設での働き方について理解を深めることができます。
より自分に合った職場をイメージすることができ、転職や就職活動の際に納得のいく職場選びができるようになるでしょう。
自分の生活スタイルに合った働き方を選び、働き甲斐のある仕事を見つけられれば、必ず彩りのある人生になります。
この記事が素敵な介護職員ライフの一助になれば幸いです。
それでは介護施設での働き方についてひとつずつ丁寧に解説していきますので、是非とも最後までお付き合いください。
介護施設での働き方とは?
介護施設とは介護を行う施設の事です。
利用者本人に直接施設まで来てもらい、施設の空間や備品を使って介護を行います。
反対に介護士が利用者本人の家に行き、訪問先の設備を使って行う介護は訪問介護となります。
施設での介護は施設備品を使用して介護を提供するため、介護環境が安定しているのが特徴です。反面、多くの利用者を同時にケアする必要があり、マルチタスクの能力が求められる場合もあります。
介護施設の種類は入居施設である特別養護老人ホームや有料老人ホーム、通所施設であるデイサービスなどがあります。
各種施設の特徴については以下の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
ここでは介護施設での働き方について3点をまとめました。
- 介護施設での働き方
- 介護施設で働くために必要な資格
- 介護施設の職場環境
順番に解説します。
介護施設での働き方
介護施設での働き方は、施設の種類によって変わります。
通所系の施設では利用者が日中にしかいないため、職員は決まった時間に働けば良いのですが、入居系の施設では24時間利用者のケアを行わなければならないため、職員が交代で勤務して1日全体をカバーする必要があるからです。
例えば通所介護のデイサービスであれば、勤務する時間帯が日中の同じ時間に固定されていたり、土日祝日は休みであったりします。
対して入居型の施設では早番、日勤、遅番、夜勤などの3交代から4交代のシフト制の勤務が一般的ですし、休日はシフトに左右されるためカレンダー通りに休むことができない場合もあります。
施設でもパートタイムや派遣といった働き方だと融通の利く場合が多いですが、正社員としてバリバリ働くのであれば、施設や他の職員の都合に合わせる必要が出てくるでしょう。
特に夜勤は施設特有の勤務形態です。
長ければ夕方から翌日の午前中までの勤務なので、身体的、精神的な負担が大きくなります。
その反面、夜勤手当により収入アップが見込めるので、体力に自信のある人からは人気の業務となっています。
施設で介護するために必要な資格
施設で介護職員として働くために必要な資格はありません。
資格の面から言えば、どなたでも、今すぐにでも施設で働くことができます。
訪問介護では最低でも『介護職員初任者研修』の資格を持っていないと働けないので、この点が施設介護と訪問介護で大きく違う点であると言えます。
ただし、資格があれば採用の際や給与面で有利なので資格を持っているに越したことはありません。
介護の仕事で給与に関係する資格として有名なものは以下の5つになります。
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
- ケアマネジャー(介護支援専門員)
- 社会福祉士(ソーシャルワーカー)
資格について解説すると長くなりますのでここでは割愛させていただきます。
詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
介護施設の職場環境
介護施設には必要な設備が導入されており、介護の環境としては安定しています。
施設を開設する際に、問題なく介護を行えるよう、介護に必要となる設備は一括で導入しているからです。
居室は介護がしやすい広さや間取りになっており、介護用のベッドや手すりが標準で配置されています。在宅の介護と比較すると、効率的かつ安全に介護を行える環境だと言えるでしょう。
施設では何人、何十人もの利用者を数人の職員で見る必要があります。しっかりと設備が整っていないと、すべての利用者に適切なケアを行うことが難しいため、どの施設も必要な設備にはしっかりと投資しております。
介護施設での具体的な環境の工夫の一例には以下のようなものがあります
- 大人数の利用者を見守りできるような広い共同生活室がある。
- 高さを上げ下げしたり、上体や足をあげられる介護用ベッドがある。
- 利用者が安全に入浴できるよう手すりや機械を備えた浴室がある。
古い施設になると設備の劣化した施設や、老朽化した施設もあります。
それでも多くの利用者に対して、同じような環境で安定したケアを行える点は、在宅での介護と比較すると大きな違いだと言えます。
新しい施設では最新鋭の設備を導入しているところもあり、トイレやベッド、浴室などの使い勝手がかなり良い場合も多いです。
特に入浴介助を行う浴室においては、従来よりも少ない労力で安全に入浴できる設備が多く導入されています。
介護施設に守られている介護職員
介護施設で働く際の最大の特徴は、利用者とのトラブルから、介護職員を全力で守ってくれるところです。
ちょっとした勘違いや、行き違いから大きなクレームに発展しやすい介護業界においては、見過ごすことのできない大きな特徴だと言えます。
職員が守られている具体的な理由は3つあります。
- 利用者の私物は徹底して管理されている
- 多くの職員が自分の普段の働きぶりを見てくれている
- 防犯カメラによる映像や、複数の職員による記録がある
訪問介護でやっかいなトラブルが、私物盗難の疑いです。
認知症の利用者だと「物取られ妄想」が発生することもありますし、利用者本人や家族が私物を置いた場所を忘れることもあります。
基本的に訪問はひとりで行いますので、何も盗んでいない介護職員が疑われることも少なくありません。
介護施設では私物の管理が徹底していますので、介護職員による盗難はほぼあり得ません。
利用者が「物取られ妄想」により被害を訴えても、認知症の周辺症状として対応を行います。
また、何かトラブルがあったとしても、普段から真面目に働いていれば、基本的に大事にはなりません。
仮に大きな事故が発生してしまっても、法廷では施設の管理責任が問われる傾向があります。
悪質な場合を除けば、個人の責任を追及されることはないでしょう。
当然介護施設で働いているから何も責任を取らなくていいというわけではありません。
勘違いや行き違いはどうしても発生しますし、トラブルが発生した際は誠意ある対応が不可欠です。
ですが無実の介護職員が予期せぬ濡れ衣をかけられることは、訪問介護よりも少ないと言えるかもしれません。
介護施設で働くメリットとデメリット
ここまで介護施設での働き方や環境についてお話ししてきました。
ここからは介護施設の特徴を踏まえて、介護施設で働くメリットとデメリットについて解説します。
それぞれ3つずつ厳選して紹介していきます。
介護施設で働くメリット3選
介護施設で働くメリットは以下の3つです。
- 無資格未経験でも働ける
- 安定した環境で介護を行える
- 働き方次第では高収入が見込める
順番に解説していきます。
無資格未経験でも働ける
介護施設では無資格未経験でも働くことが可能です。
様々な事業所が常に介護職員を募集していますので、就業までのハードルがとても低いと言えます。
失業や生活環境の変化で急に仕事をしなければいけない場合は、介護施設への就職が選択肢に入ってくるでしょう。
施設の介護職員は、資格を持っているかどうかで業務内容が大きく変わることはありません。
介護技術さえしっかりと身に着けられれば、資格取得者と同じ業務に携わることができます。
反面、業務が同じなのに資格取得者よりも給料が低いという事態にもなります。
長く介護の現場で働くのであれば、早めに資格取得目指すと良いでしょう。
入職してすぐは新人研修や先輩職員による指導があります。
現場で一通りの介護スキルを教えてもらえるので、ある程度安心して働けることでしょう。
安定した環境で介護を行える
介護施設での仕事は、施設の備品や規則に従って、チームで利用者のケアを行うことです。
仕事の内容が細かく定まっており、充実した設備を使って介護ができるので、安定して働くことができます。
具体的には3点あります。
- 介護しやすい空間で使い勝手の良い備品を使用できる
- チームで連携を密に取りながら介護できる
- トラブルが発生した際はすぐに専門職に相談できる
利用者のケアを行う際は基本的に同じ物品、同じ設備を使ってケアを行えます。
ある程度動作をルーチン化できるので、手順について毎回悩まなくて済み、利用者と向き合う事に専念できるのがメリットです。
利用者へのケアや、トラブル発生時の対応は体系化されている場合が多く、複数の職員で動くことができます。
専門性の高い職員や、ベテラン職員と一緒に対応ができるので、何かあった時でも安心して働けるのが施設介護の特徴です。
働き方次第では高収入が見込める
介護の仕事で高収入を得るには夜勤手当が重要です。
入居系の介護施設では夜勤がありますので、夜勤手当の分高収入になりやすい傾向があります。
特に特別養護老人ホームは基本給が高めに設定されていることもあり、介護職員としては高めのお給料をもらえる場合もあります。
ですが業務量が多く、肉体的、精神的にハードな場合もあるので注意が必要です。
たたし、介護施設であってもデイサービスには夜勤がありませんし、グループホームやサポート付き高齢者住宅は基本給が低めに設定されている場合があります。
介護施設に応募する際には、求人内容をしっかりと確認し、自分の生活に合ったものであるか確認するのが鉄則と言えます。
介護施設で働くデメリット3選
介護施設で働くデメリットは以下の3つです。
- 忙しい職場だと無資格未経験でもすぐに即戦力とみなされる
- 多くの利用者のケアを効率的に行わなければならない場合がある
- 入居施設の正社員だと夜勤があり、休みが不定期になりがち
順番に解説します。
忙しい職場だと無資格未経験でもすぐに即戦力とみなされる
たまに入職後すぐに、即戦力としての動きを求められる職場もあります。
介護職員が長く居つかない職場だと、職員の数が足りなくて現場の業務が回っていないからです。
新人職員の指導は時間をかけて行うのが一般的ですが、あまりにも職員の少ない現場ではそうも言っていられません。業務について一通り説明しただけで、指導担当の職員が他の業務にかかってしまっう場合や、そもそも指導担当がつかない場合もあります。
介護経験が浅い場合は、採用面接の際に指導の体制について聞いてみるのが良いでしょう。
ただし、現場に入ってみなければどんな指導体制なのかわかりませんし、採用担当者によっては現場を把握していなかったり、実際の状況とは異なる返答をしてしまう場合もあります。
就職してみてあまりにも違和感のある指導体制だったり、職員が少なすぎると思ったら、大きなトラブルが発生する前に退職することも視野に入れたほうが良いかもしれません。職員の居つかない職場にはそれ相応の理由や問題点があるものです。
ひとつの目安として、就職した翌月から本人に相談もなく夜勤が組まれるような施設は、警戒したほうがいいかもしれません。
複数の利用者のケアを並行して行わなければならない場合がある
介護施設では複数の利用者を同時にケアしなければならない場合があります。
職員を待てない利用者や、少しの時間でも目を離すと事故につながる利用者がいるからです。
在宅介護の現場では利用者と1対1で向き合って介護するのが一般的です。
ですが、介護施設では複数の利用者のケアを数人、または一人で行う場面が多くあります。
丁寧かつ効率的な動きを求められたり、注意力を複数の方向に向けながらケアを行うことが求められたりすることもあるでしょう。
施設介護の現場では、ひとりの利用者にかかり切りになっていると、他の利用者が転倒、転落し、骨折や頭部打撲といった大きい事故に発展してしまうかもしれません。
また、ケアに使える時間や人手は限られているので、ひとりの利用者のケアを優先しすぎてしまうと、一部の利用者にはケアが手厚くなり、別の利用者には十分なケアが行えなくなってしまう場合もあるでしょう。
特に特別養護老人ホームや、介護老人保健施設のような大規模の施設では、多数の利用者が入居していることもあり、複数の利用者を同時に見るスキルが必須となってきます。
大きな施設で働く際は、複数の利用者のケアを並行して行わなければならない場合があることを覚悟しておくと良いでしょう。
入居施設の正社員だと夜勤があり、休みが不定期になりがち
入居施設の正社員の特徴は、夜勤を月に数回行う必要があることです。
また、シフト制のため土日祝日の休日ではなく、平日に休みとなる場合が多くあります。
入居施設は昼夜24時間の介護サービスを提供します。
日中は非常勤やパートのスタッフが勤務していますが、夜間帯に関しては正社員が常駐し、夜勤業務を行うことが多いです。
中には夜勤のみを行う非常勤職員もいますが、全ての夜勤をカバーできるわけではありません。
夜勤業務には夜勤手当が付くため、バリバリ働きたい人からは人気のある業務です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
介護施設での働き方や、メリット、デメリットについてご理解いただけたでしょうか?
最後に軽くまとめます。
- 介護施設はシフト制の働き方で、無資格でも就職できる
- 介護環境が安定しており、働き方次第で高収入が期待できる
- 人手が足りない施設は業務が多く即戦力を求め、希望通りに休みにくい傾向がある
高収入や安定した介護環境を求めるなら、介護施設は有力な選択肢となるでしょう。
是非とも自分に合った職場を見つけて、楽しい介護職ライフを手に入れてみてください。
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