介護の仕事をしていると特養という言葉を聞いたことがあっても、特養の仕事内容や施設についてよく知らない方も多いと思います。もし転職を考えているなら事前にしっかり確認しておきたいですよね。この記事では、特養の他の介護施設との違いや仕事の内容についてわかりやすく解説していきます。働き方の参考になれば幸いです。
特養の主な仕事内容
特養の正式名称は特別養護老人ホームです。主な仕事内容は4つあります。
- 身体介助
- 食事介助
- イベントの実施
- 看取り
順番に解説していきます。
身体介助
特養の主な仕事内容のひとつは身体介助です。特養の利用者は65歳以上かつ要介護3以上の認定を受けている高齢者のため、身体介助が必要になります。具体的には入浴介助や排泄介助です。入浴介助には普通浴のほかにシャワー浴や寝たきりの利用者向けにストレッチャーなどを使う機械浴があります。利用者の体調に合わせ無理のないよう気を配り、転倒などの安全にも考慮しながら介助する必要があります。排泄介助はトイレのサポートやオムツ交換などです。排泄介助はデリケートなものなので利用者の自尊心に配慮して行う必要があり、介護の仕事の中でも難しいと言われています。日頃からコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくことが大事です。
食事介助
食事介助は食事のサポートや見守りが主な仕事内容です。利用者の中には噛む力や消化器官や味覚の衰え、嚥下障害がある方もいます。
- 何時にどれくらいの量食べたかを把握し、味覚の衰えによる食べ過ぎを防ぐ。
- 食べ物の大きさやわらかさを調節する。
- 誤嚥や窒息しないように見守る。
利用者にあわせ介助することが大切です。
イベントやレクリエーションの実施
特養ではイベントやレクリエーションが活発に行われています。理由は脳の活性化や健康機能の維持、リフレッシュ効果があるためです。重度の利用者が多い特養ではリハビリの一環としての役割も大きいです。イベントは季節に合わせ花見や夏祭りを実施。ボランティアや近所の小学校などの子供達との交流も盛んに行われていて楽しみにしている利用者が多いです。
看取り
要介護度が高い特養では看取りも主な仕事内容の一つです。特養の看取りの方針として80%以上が可能な限り施設で看取るという調査結果もあります。(参考:介護施設等における看護職員のあり方に関する調査研究事業報告書)
死が近くなることで発熱などの身体的苦痛や死の恐怖からくる精神的苦痛などのケアも行う必要があります。看取りケアとして利用者にとって安心できる環境を整え、手を握ったり優しく声がけすることが大事です。また、利用者の家族も大切な家族を失うかもしれないという不安を抱えているため家族に対しても利用者の状態を共有し、寄り添ったケアが必要となります。
特養の特徴
特養の特徴は以下の3つです。
- 一般的な老人ホームより重度の利用者が多い
- 公的機関が運営しているため行政からの補助が充実している
- 特養の施設には2つのタイプがある
それぞれ順番に解説します。
一般的な老人ホームより要介護度の高い利用者が多い
特養に重度の利用者が多い理由は、設備が整っていて要介護度の高い利用者も入所しやすいためです。終のすみかとしての役割もある特養は他の施設に比べて平均の入居期間が長くなります。要介護度の高い利用者と長期的に関係を築きながら働くことができ、他の職員との連携も必要になるため介護スキルやコミュニケーションスキルの向上が見込めます。
公的機関が運営しているため待遇がいい
特養は民間企業と比べると倒産リスクが低く、給与が高い傾向にあります。理由は社会福祉法人や市町村などの公的機関が運営していて補助が充実しているためです。経営の基盤がしっかりしています。利用希望者も多く、収益も安定しているため給料や福利厚生など働く職員の待遇に反映されやすいです。
特養の施設には2つのタイプがある
特養の施設には従来型とユニット型の2種類がありそれぞれ特徴が異なります。
従来型
従来型とは基本的に4人程度の入居者が同室となり生活するタイプの施設です。多くの職員で入居者の対応を行います。担当する入居者が多く大変な面もありますが、他の職員と協力できるため経験の浅い職員でも働きやすい環境です。
ユニット型
ユニット型とは、入居者のプライバシーに配慮し、全室個室で10人程度のユニットを構成し生活する施設のことです。スタッフは従来型に比べ少人数のためある程度の介護スキルが必要になりますが、ユニット内で個別に対応を行うため、利用者に合ったケアができるというメリットもあります。
まとめ
この記事では、特養に勤める介護士の仕事内容や特養の特徴について解説しました。
特養の主な仕事内容は以下の4つです。
- 身体介助
- 食事介助
- イベントの実施
- 看取り
また、特養の特徴として3点を挙げました。
- 一般的な老人ホームより要介護度の高い利用者が多い
- 公的機関が運営しているため待遇がいい
- 特養の施設には2つのタイプがある
特養の利用者は65歳以上かつ要介護3以上の認定を受けている高齢者のため、日常的な介助から看取りまで利用者の状態を共有し、寄り添ったケアが必要となります。仕事内容や特養の特徴を理解し、職場選びの参考にしてみてください。
コメント