介護施設のワンオペ夜勤は大変!? 現場の実態と対策を徹底解説!!

夜勤が大変だよーしんどいよー
ひよこちゃん
ひよこちゃん

かかりちょー
かかりちょー
ユニット型の介護施設や小規模の介護施設は、ワンオペ夜勤が多いからしんどいよね。しっかり対策を取るのがおすすめだよ

介護施設の夜勤は大変ですよね。仮眠や休憩が取れないことも珍しくありません。夜間は職員の数が少ないので、ひとりで何人もの利用者を見る、ワンオペ夜勤の現場もあります。夜勤を休憩なしで行い、緊急時の対応もひとりで行うとなれば、疲れ果ててしまうこともあるでしょう。

ここでは介護施設に見られるワンオペ夜勤の実態と、ワンオペ夜勤に潰されないための心がけを解説します。介護施設のワンオペ夜勤に興味のある方は是非参考にしてみてください。

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ワンオペ夜勤とは?

ワンオペとは「ワンオペレーション」の略で、ひとり体制で業務を行うことです。ワンオペ夜勤はひとり体制で夜勤を行うことを指します。ワンオペ夜勤は介護職員に大きな負担をかけることも多く、夜勤の負担軽減は介護業界の課題のひとつだといえるでしょう。

たとえばユニット型の介護施設では、日中は複数の職員で10人程度の利用者を担当しますが、夜間は20人程度をひとりで見ることになります。夜間は昼間の半分以下の職員しかいない計算です。夜間は利用者が寝ているため、職員が少なくても問題ない、という考え方が根本にあるのが原因と言えるでしょう。

ですが夜間帯であっても利用者対応をまったくしなくて良いわけではありません。夜間帯の利用者対応の具体例は以下のようなものがあります。

  • 昼夜逆転している利用者の対応
  • 起床時刻の早い利用者の対応
  • おむつ対応の利用者の排せつ介助

夜間帯は利用者対応をひとりで行わなければいけません。また突発的な体調不良や事故による怪我があれば、看護師不在の中で緊急時の対応も行う必要があります。

深夜は利用者の動きが少ない時間が多いことも事実です。しかし明け方にはおむつ交換や起床の介助などの重労働の業務が詰まっています。短時間に集中して重労働の業務を行う必要があるため、日中の勤務よりもワンオペでの夜勤の方が過酷だと言えるでしょう。

かかりちょー
かかりちょー
夜勤明けは疲れ果ててるから、何もやる気が起きないなー。だるだるーんだね。

ワンオペ夜勤が発生しやすい施設形態

ワンオペ夜勤は小規模の施設や、ユニット型の施設で発生しやすい傾向にあります。夜勤者ひとりが見られる利用者の数は、25人までと法律で定められているからです。

具体的な施設は以下の通りになります。

  • グループホーム
  • 小規模多機能型居宅介護
  • ユニット型の特別養護老人ホーム
  • ユニット型の介護老人保健施設

グループホームや小規模多機能型居宅介護の入居、宿泊利用者の定員は9名となっています。小規模な特別養護老人ホームや介護老人保健施設では、定員が20名前後です。利用者の定員人数が、ワンオペ夜勤が行われる施設の目安となります。

また、100人規模の大きな施設であっても、ユニット型の施設は20人程度の利用者を、ひとりで見る場合もあります。施設内に複数の夜勤者はいますが、協力して勤務することが難しいため、実質ワンオペ夜勤と言えるでしょう。

かかりちょー
かかりちょー
私が勤めてる特養は100床の大きい施設だけど、全フロアユニット型だから夜勤は全部ワンオペ夜勤だよ!

ワンオペ夜勤の実態とは?

ワンオペ夜勤で問題となってくるのは以下の3点です。

  • 決まった休憩時間がない
  • 複数の利用者への同時対応が難しい
  • 介護職員の心身への負担が大きい

ワンオペ夜勤の実態を順番に解説します。

決まった休憩時間がない

ワンオペ夜勤では休憩を回してくれる職員がいないため、定時にまとまった休憩をとれない施設が多くあります。忙しい日であれば息を抜く時間がほとんどありません。自発的に休憩をとるように指示されている場合がほとんどです。

夜間であっても動きのある利用者はいますし、ナースコールが鳴れば対応しなければなりません。状態が急変した利用者が居ればひとりで対応することもあります。入居施設の利用者は24時間介護の手が必要です。

夜勤は特に大変な業務だと言えます。ですが多くの施設に仮眠室はなく、夜間に職員を休憩させる体制が整っていないのが現状です。

かかりちょー
かかりちょー
大きい施設で多床室フロアとユニット型フロアがある場合、多床室フロアから休憩のための応援が来る施設もあるね

複数の利用者への同時対応が難しい

ワンオペ夜勤では複数の利用者への同時対応が難しい点も問題となります。事故リスクのある複数の利用者が同時に動き出した場合、すべての利用者の対応を同時に行うことは不可能だからです。利用者のリスクの度合いに優先度をつけて、順番に対応することになります。

事故や体調不良があれば、利用者は普段よりも職員の手を必要とします。ひとりの利用者の対応をしている間にも、他の利用者の事故リスクがあります。夜勤者は利用者を守るために、無理をして業務を行わなければならない場合も出てくるのです。

ワンオペ夜勤は事故リスクが高く、利用者の安全を守ることは難しいのが実情と言えます。

かかりちょー
かかりちょー
介護職の身体はひとつしかないから、同時にいろんな対応をするのは無理があるよねー

介護職員の心身への負担が大きい

ワンオペ夜勤は介護職員の心身への負担が大きいことも問題となります。ひとりの介護職員が長時間集中を保ちながら、すべての対応を行わなければならないためです。夜勤の回数が多かったり、突発的な事故や不測の事態が何度も発生すると、体調を崩す職員もいます。

16時間の夜勤ですと、休憩の取れない環境で長時間動きっぱなしになる可能性もあります。ひとりでの認知症対応、事故や健康リスクへの配慮などは大きなストレスです。アクシデントが発生した際も手助けは望めず、心細い思いをすることもあります。

ワンオペ夜勤は精神的、肉体的に職員を追い込む可能性があるのです。

かかりちょー
かかりちょー
私の勤める特養だと夜間に突発的な事故や体調不良があった場合は、当番の看護師に電話できるよ。だけど欲を言えばアクシデントには誰かと一緒に対応したいよね!

ワンオペ夜勤を行うために心がけることとは?

過酷なワンオペ夜勤に潰されないために心がけるポイントは3つあります。

  • 夜勤中に自主的な息抜きをする
  • 事前に緊急時の対応を確認する
  • 夜勤前後は体内時計を意識して過ごす

ひとつずつ順番に解説します。

夜勤中に自主的な息抜きをする

休憩時間が定まっていないワンオペ夜勤では、業務の合間を縫って自主的に休憩を行う必要があります。ある程度気を抜く時間がないと、疲労が蓄積していってしまうからです。

夜勤はある程度まとまった時間が取れる場合が多いので、普段できない事務作業や、優先順位の低い作業の時間に当ててしまうこともあるでしょう。日中に時間が取れない分、夜勤で集中して作業を終わらせてしまうのが効率的と言えます。

ですが夜勤の疲労は確実に溜まってしまいます。そのため10分でも良いのでリラックスできる時間を設けるのがおすすめです。少しリフレッシュするだけで、明け方から翌日にかけての疲労や、仕事のパフォーマンスが変わってくるでしょう。

  • 足を延ばしてリラックスできる姿勢を取る
  • しばらく目をつぶる
  • 仕事のことを考えないようにする

動かなければいけない時間以外は、すべて休憩でも良いくらいです。夜勤中は積極的に休みましょう。

かかりちょー
かかりちょー
夜勤じゃないと捗らない仕事もあるから、けっこう頑張っちゃうことも多いんだよねー。無理せずほどほどに頑張ろう!

事前に緊急時の対応を確認する

ワンオペ夜勤の際は事前に緊急時の対応を確認しておくと良いでしょう。夜勤者の大きなストレスのひとつが、緊急時の対応です。慌ててしまったり、どうすれば良いかわからなくなってしまったりすると、適切な対応を行うことが難しくなります。

いきなりの緊急事態であっても、事前に対応を確認しておけば、スムーズに動けることでしょう。具体的に確認しておきたい内容は以下の3つです。

  • 事故が起こりそうな利用者と、考えられる事故の内容と対策
  • 体調面で注意が必要な利用者と、考えられる急変の内容と対策
  • 日中の様子が普段と違う利用者と、どのように違っているかの把握

勤務開始時に緊急時の対応を想定しておくだけで、不測の事態にもある程度対応することができます。

かかりちょー
かかりちょー
緊急時の対応に自信がない時は誰かに相談してみるのも良いね。他のフロアにも夜勤者がいるなら迷わず電話しちゃえ!

夜勤前後は体内時計を意識して過ごす

夜勤の前後は体内時計を意識して過ごすと疲労感を大きく減少させることができます。生活リズムを大きく崩してしまうと、身体が適応するために体力を大きく消費するからです。たとえば夜勤当日と夜勤後の日中は少し仮眠を取り、夜勤前後の夜は本格的な睡眠を取るように意識すると良いでしょう。具体的な注意点は以下の5点があります。

  • 夜勤前日の夜は遅くならないうちに寝る(日付が変わる前)
  • 夜勤当日の朝は普通に起きて、午前中は軽く活動する
  • 夜勤当日の午後は1時間から3時間程度の昼寝をする
  • 夜勤明けの日中は消化の良いものを食べて、3時間程度の昼寝をする
  • 夜勤明けの夜はしっかりと睡眠を取る

夜勤前日の夜に徹夜したり、夜勤当日の日中に寝だめしたりすると、夜勤中に睡魔が襲ってくる原因となります。できるだけ体内時計を崩さないようにしましょう。

>>参考:医療法人社団 平成医会 サーカディアンリズムと私たちの生活

かかりちょー
かかりちょー
生活スタイルによっては難しい場合もあるよね。夜勤前後はあまり無理しないようにするのでも、後々の疲労感が少なくなるよ!

まとめ

いかがだったでしょうか?ワンオペ夜勤の実態と、ワンオペ夜勤に潰されないための心がけについてご理解いただけたでしょうか?

最後に簡潔にまとめます。

まとめ
  • ワンオペ夜勤はひとり体制の夜勤であり、主に小規模の介護施設で発生する
  • ワンオペ夜勤の問題点は、複数の利用者への同時対応が難しく、決まった休憩時間がないことと、介護職員の心身への負担が大きい点
  • ワンオペ夜勤を行うために心がけることは、夜勤中の自主的な息抜き、緊急時の対応の事前確認、夜勤前後は体内時計を意識して過ごすこと

ワンオペ夜勤は過酷ですので、実態を理解し、万全の対策をする必要があります。この記事がワンオペ夜勤を乗り越えるための手助けになれば幸いです。

かかりちょー
かかりちょー
最後まで読んでくれてありがとー!
シン

介護福祉士として特別養護老人ホームに10年勤務。介護職としてフルタイムで働きながら、介護に関する情報発信を行っている。介護現場ではひとりひとりの個性を大切にする個別ケア、利用者の1日の生活を可視化して最適なケアの検討を行う24時間シートの導入を推進。現場目線の実態に即した情報発信を得意としている。

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