介護施設で働いていると、家族に電話しなければならないときがあります。特に緊急時や事故発生時に電話をかけるときは緊張する方も多いでしょう。電話連絡は一歩間違えたらクレームに発展し、今まで築いてきた家族との信頼関係が崩れる原因になりかねません。
この記事では、介護施設の職員が家族に電話するときの注意点や、かける前にすべきことを解説します。安心して家族に電話できるよう、参考にしてください。
介護施設の職員が家族に電話連絡するとき
介護施設の職員が家族に電話するときはたくさんあります。介護職員は1番近くで入所者を見ているからこそ、具体的な内容の電話ができるからです。
介護施設の職員が家族に電話するときの具体例は以下の5つです。
- 衣服や日用品を持ってきてほしいとき
- 衣服や日用品を購入する許可を得たいとき
- 体調不良のときや受診となったとき
- 事故が発生したとき
- 救急搬送するなど緊急のとき
初めて電話する職員は、比較的簡単な内容を伝える電話から経験を積みましょう。いきなり事故発生時や緊急時などの重要度の高い電話をかけるのは荷が重すぎるからです。電話経験のない職員が初めて家族に電話するなら、以下の内容を伝える電話がおすすめです。
- 衣服や日用品を持ってきてほしい
- 衣服や日用品の購入を許可してほしい
入居者の状態に直接関係ない電話なので、職員も家族も取り乱したりせず電話を終えられます。
介護施設の職員が家族に電話するときは意外にあります。最初は緊張しますが、簡単な内容の電話から慣れていきましょう。
重要度の高い電話をするときに、電話経験のない職員しかいないときもあります。不安なら介護主任や相談員など、上司や他部署の職員にも頼ってください。
介護施設の職員が家族に電話する前にすべきこと
何も準備せず急に家族に電話すると、思わぬ失敗を招くこともあります。電話連絡からクレームに発展させないためにしっかりと準備しましょう。家族に電話する前にすべきことが3つあるので、それぞれ解説していきます。
話の内容をまとめる
家族に電話する前に、話の内容をまとめておきましょう。電話中は緊張のあまり頭の中が真っ白になり、大事なことを伝え忘れてしまったり、誤解を招く発言をしてしまったりする可能性が高いからです。
内容をまとめるときは、家族に余計な混乱を与えないよう憶測やあいまいなことは入れてはいけません。事実のみをわかりやすくまとめ、自信がなければ上司や先輩にも確認してもらいましょう。
電話の前に話の内容をまとめておくことで、伝え忘れたり誤解を招いたりすることを防げます。
電話をかける相手や時間帯を確認する
電話をかける前に、電話をかける相手や指定されている時間帯があるか確認しましょう。電話をかける相手や時間帯を間違えると、二度手間になったり家族間の連絡をややこしくしてしまったりするためです。
介護施設から家族に電話するときは、基本的には身元引受人にかけます。身元引受人は緊急時の連絡先の役割があるからです。ただし、以下のような場合があるので、確認せずにいきなり身元引受人に電話するのはおすすめできません。
- 身元引受人が加齢や病気により入所時から変更されている
- 身元引受人が遠方に住んでいるため、近くに住んでいる家族に電話するよう頼んでいる
記憶を頼りに電話せず、きちんとかける相手を確認しましょう。
電話の繋がりやすい時間帯は家族によって違うので、あらかじめ繋がりやすい時間帯を確認している施設もあります。急を要する連絡でなければ、家族の都合の良い時間帯に電話しましょう。
職員にとっても家族にとっても二度手間とならないよう、電話をかける前に相手や時間帯をしっかりと確認することが大切です。
周りの職員に電話することを伝えておく
電話をかける前に、周りの職員に電話することを伝えておきましょう。電話対応中はコールや介助に対応できないからです。事前に家族に電話することを周りの職員が知っていれば、代わりに対応してくれます。
電話中は家族とのやり取りに集中できるよう、周りの職員に電話することを伝えておいてください。
介護施設の職員が電話するときの注意点
介護施設の職員が家族に電話するときに、家族に不快な思いをさせないよう注意する点が4つあります。それぞれ解説するので、ぜひ参考にしてください。
名前を名乗る
家族に電話するときは、施設名だけでなく所属部署名と名前も名乗ります。施設名だけでは家族からすると、どの職員からの電話かわからないためです。所属部署名と名前を伝えることで、家族も職員の顔が浮かび話しやすくなります。
家族に電話をかけるときは、施設名だけでなく所属部署名と名前も名乗りましょう。
ゆっくりとはっきりした声で話す
家族に電話するときは、ゆっくりとはっきりした声で話すことを心がけてください。家族によっては高齢のため耳が聞こえにくい方もいるからです。
自信がないとつい小さい声や早口になってしまうものです。しかし、小さな声でぼそぼそと話すと、聞き取れずに家族を困らせてしまうこともあります。
家族に電話するときは、意識してゆっくりとはっきりした声で話すようにしましょう。
電話しながらメモを取る
家族に電話するときは、電話しながらメモを取るのがおすすめです。電話中はパニックになり、言われたことを忘れてしまうことがあるからです。言われたことを忘れてしまうと、後からトラブルの原因になることもあります。
また、メモを取ることで電話の内容を正確に記録に残せるメリットもあります。正確な情報があると、その後の家族とのやり取りもスムーズです。
電話中は慌ててしまうかもしれませんが、メモを取りながら冷静に家族の話を聞くようにしましょう。
家族が電話を切ってから電話を切る
電話を終えるときは家族が電話を切ってから切ります。先方が目上の場合、先に電話を切らないのがマナーとなっているためです。家族によってはこちらが電話を切るのを待つこともあるので、臨機応変に対応しましょう。
注意すべきは、電話が終わる間際に気を抜くことです。気を抜くと、以下のような行動を取ってしまう可能性があります。
- 雑に受話器を置いて切る
- 独り言を呟く
電話越しですが、ぞんざいな態度は家族に伝わるものです。電話が終わるまで気を抜かず、家族が電話を切ったのを確認してから電話を切りましょう。
まとめ
介護施設の職員が家族に電話するときは、日用品を持ってきてもらう依頼から緊急時の連絡までさまざまです。内容の重要度は異なりますが、家族に電話する前にすべきことや、電話するときの注意点は変わりません。
この記事では、介護施設の職員が家族に不安なく電話できるよう、以下の3つにわけて解説しました。
- 介護施設の職員が家族に電話するのはどのようなときか
- 家族に電話する前にすべきこと
- 家族に電話するときの注意点
電話を通して家族に良い印象を持ってもらえると、今後も良好な関係を続けていくきっかけの1つになります。不安や緊張もあると思いますが、家族に電話する機会があれば積極的に挑戦してみてください。
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