利用者の死に直面する看取り介護に対して、不安をもつ介護職の方は少なくないでしょう。
特に看取りの経験がない介護職は、どのように対応したらいいのか迷ってしまう方もいると思います。実際に、私も介護現場では利用者の死に動揺してしまった経験があります。
看取りは利用者が穏やかに人生の最後を過ごしてもらえるよう手助けを行う大切な仕事です。
もちろん辛いこともあるのが終末期の過ごし方ですが、利用者やその家族が満足のいく最後を迎えられた時に介護職としてのやりがいを感じることができるでしょう。
この記事では、看取りまでの流れや実際の介護現場での実例も紹介していきます。
看取りに興味がある方は、是非記事を最後まで読んで看取りに関する知識を深めていきましょう!
看取り介護とは
無理な延命治療を行わずに、利用者の日常生活の援助を行うのが看取りです。
病気による身体的・精神的な苦痛を緩和することで、人生の最後を穏やかに過ごすことができます。
通常ケアと看取り介護の決定的な違いは以下の3点です。
- 積極的な治療は行わない(酸素吸入や点滴も含め)
- 身体的・精神的な苦痛を緩和するケアを優先する
- 家族への精神的な面でのケアを行う
看取り看護は、終末期における日常生活の中の介助や介護に重きを置いているといえます。
介護施設で働く職員にとって看取りは身近なものです。
厚生労働省によると、亡くなる場所の調査において介護施設で最後を迎えた方が、全体の60%の割合を占めます。看取りに関する施設方針の調査では、「希望があれば施設内で看取る」が78.0%を占めています。
(出典:厚生労働省 介護老人福祉施設 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000171814.pd)
最後まで病院で積極的な治療を行うよりも、施設や自宅での穏やかな死を希望する方が多いことが分かります。
今後も施設での看取り介護は多くなることが予想されます。施設での看取りの知識を深めて、利用者が尊厳のある死を迎えられるように支援を行なっていきましょう!
介護施設での看取りの流れ
介護施設での看取りの流れは時期に応じて4つの段階があります。
- 適応期(入所期)
- 安定期(定期的なケアプランの更新時期)
- 不安定・低下期(衰弱傾向の出現・進行)
- 終末期(回復が望めない状態)
看取りの流れを順に説明していきます。
適応期(入所期)
介護施設へ入所し、その環境に慣れてもらう時期です。
利用者や家族へ看取りケアの方針の確認を行います。
安定期(定期的なケアプランの更新時期)
施設での生活に慣れ、身体的にも精神的にも安定している時期です。
状況が変化したときの希望を再確認します。(病院への搬送の有無など)
不安定・低下期(衰弱傾向の出現・進行)
食欲や体重の減少などの症状が見られ、衰弱している時期です。
医師または看護師が、利用者に今後予想される状況の説明を行います。
今後、施設で対応可能な医療と利用者や家族が希望する支援についてすり合わせを行う。
終末期(回復が望めない状態)
通常ケアから看取りへ移行する時期です。医師より状態説明後、本人・家族へ看取りの同意を確認します。利用者や家族が死を受け入れ、その人らしい最期が迎えられるよう援助していきます。
(参考:特別養護老人ホームにおける看取りの推進と医療 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000140277.pdf)
通常ケアから看取りへ移行するタイミングは、ターミナルケアに移行するタイミングと同じです。
時期によって適切なケアを見極めながら、日常生活の支援を行なっていきましょう!
介護施設における看取りの実例紹介
介護施設で実際に行われた看取りを紹介します。介護施設の看取りの流れに沿って状況を解説するので、看取りの実態に興味のある方は参考にしてみてください。
適応期
ご紹介するのは自宅での介護量が多くなり、施設に入所された80代の男性の方となります。入所する前は、釣りが趣味でよく仲間と釣りを楽しまれていたようです。入所後は他の利用者と円滑なコミュニケーションが取れるよう、職員が間に入りつつ利用者同士の関わりを見守りました。
安定期
施設で過ごすことに慣れてくると、他の入居者と釣りの話で盛り上がる様子がみられました。釣りの話をされている時はとくに楽しそうにされていたのが印象的です。
不安定・低下期
数ヶ月前より食欲の低下や体力の低下などがみられており、病院で精査を受けられました。施設としてもご本人に対して栄養面や治療面でのアプローチを行いましたが、なかなか調子が回復してくることはありません。結果的に、末期癌が発覚し医師より余命宣告を告げられます。
終末期
本人も気持ちが落ち込まれており、明らかに活気が無くなっている様子でした。そこで、施設スタッフが本人に寄り添い話を聞いたところ、最後に釣りに行ってみたいとの希望が聞かれました。
医師・介護職員にて話し合い、家族へ外出中の介護方法や楽に過ごせる姿勢など普段のケアの中で注意していることを共有し、家族で釣りへ出掛けることができました。釣りを楽しまれる時には穏やかに家族と過ごされたようです。それから3週間後に亡くなられました。
最後まで利用者へ寄り添うことで本人の希望を汲み取ることができ、趣味である釣りを行い、家族と穏やかに過ごすことができた一例です。
介護職員として、看取り介護を行えてよかったと思える体験でした。
まとめ
看取りは、人生の最後を穏やかに過ごすために、病気による苦痛の緩和を目的とした日常的なケアを行うことです。
看取り期とは、医師より看取りの宣告を受け、本人・家族が同意した時期から亡くなるまでの間のケアです。
介護職は利用者が最後まで人生を全うしようとする時に、それに寄り添いサポートできるようにケアを行なっていきましょう!
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