介護職のみなさんにとってお悩みの種になる「レクリエーション選び」
種類は数多くあり、どう選べばいいのか、お悩みの方も多いのではないでしょうか?レクリエーション選びは「無理せず安心して実施できること」が大切です。
今回は、重度の利用者も楽しく参加できるレクリエーションの種類と選ぶコツや、実施する際の気をつけるべきポイントもご紹介いたしますので、レクリエーション選びにお困りの方はぜひ参考にしてみてください。
介護現場で人気のレクリエーションは安心で安全なゲーム
実際に介護現場で人気のあるレクリエーションは、簡単で座りながら楽しめるレクリエーションです。複雑なゲームや激しい動きのダンスは、高齢者には難しい場合があります。「なんだか楽しそう」「これならできるかも」と関心や興味を得ることがポイント。完璧な進行を求めるのではなく、施設全体で和やかな雰囲気を作ることが大切です。
また盛り上がるレクリエーションは職員も利用者も、ついついゲームに夢中になる傾向があります。身守りが行き届かないと、転倒の恐れがあるので注意するとよいでしょう。
体を動かすレクリエーションゲーム
体を動かすレクリエーションゲームは盛り上がるのが特徴です。体を動かすことが楽しいと感じてもらえることで、ストレス解消や、生活のメリハリがつきます。斑対抗戦にするなどアレンジ次第で、さらに盛り上がること間違いなしです。ここでは体を動かすレクリエーションゲームを4つご紹介します。
- 割りばし落としリレー
- スクイーズポコポコリレースクイーズ
- 脱出させろ
- パタカラ体操
それぞれ順番に解説します。
割りばし落としリレー
材料:割り箸、ペットボトル、ビニールテープ
ペットボトルに割り箸を入れ、テープで2本を固定します。全ての割り箸を片方のペットボトルに移動させてゲームを開始します。全ての割り箸を落とせたら次の人へバトンタッチ。制限時間が切れた時にペットボトルを持っている人が負けです。簡単なようでなかなか落ちてこないので、意外にハラハラし盛り上がります。
スクイーズポコポコリレースクイーズ
100円ショップでも購入できる「ポコポコスクイーズ」を使用したリレーです。全てのボタンを押し終わったら次の人へバトンタッチ。制限時間に達した時にスクイーズを持っていた人が負けです。ボタンを押す感覚がクセになる指先を使うゲームです。
脱出させろ
フラフープ(100円ショップで購入可)の中に風船や軽い素材のおもちゃなどを入れます。
ルールは簡単。フラフープの中のおもちゃを「お手玉」をなげて当て、フラフープの外にだすゲームです。おもちゃの大きさは、さまざまなものを準備すると出しやすさが変わります。
パタカラ体操
口腔機能の向上に効果的なレクリエーションです。歯科衛生士が口腔体操として導入している場合もあります。口をはっきり開け「パ・タ・カ・ラ」とそれぞれ7回声を出し、手を同時に動かします。
- 「パ」と声を出し、手を開いたらすぐにまたつまむ(7回繰り返し)
- 手のひらを上に向けベロを上あごに押し付け「タ」と声を出す(7回繰り返し)
- 手の甲と甲を合わせて広げ「カ」と声を出す(7回繰り返し)
- 両手の指先を肩に付け前に開き「ラ」と声に出す(7回繰り返し)
※この4種類の声と動きのあと手を3回たたきます
脳トレ系レクリエーションゲーム
脳トレ系レクリエーションゲームは脳の活性化が期待できます。脳トレは正解を出すことより、答えを導き出す過程を楽しむように工夫することが大切です。一人で考えるより、まわりと相談しながら楽しく取り組めるようにお手伝いをしましょう。具体的な脳トレ系レクリエーションゲームは次の4つです。
- ○○なもの連想ゲーム
- 文字の穴埋め
- 口じゃんけん
- 洗濯ばさみでグラグラバランスゲーム
それぞれ順番に解説します。
○○なもの連想ゲーム
みんなで答えを合わせることができるのか?を問うゲームです。たとえば「赤い果物といえば?」という問題ならリンゴ、いちご、さくらんぼなどがありますね。全員一致の答えを目指すゲームです。一致しなくても、その人の個性を発見できるのが魅力です。
文字の穴埋め
【〇な〇】などをホワイトボードに書いて、思いつくまで単語を答えるゲームです。上の例での答えとして「カナダ」「斜め」「南」など。穴が開いている二カ所はどこでもOKです。
例:【さ〇〇】【〇〇く】
口じゃんけん
指示を出す人のいう通りに後だしジャンケンします。「勝ってください」と言われたら後だしで勝つように出します。簡単そうに見えて意外に頭を使うこのゲーム。スピードアップしていくと難易度が上がります。
洗濯ばさみでグラグラバランスゲーム
ペットボトルを用意し、ペットボトルの口にひとつ洗濯ばさみを挟みます。順番にひとつずつ洗濯ばさみを自由につないでいきます。倒れたらその人の負け。指先の力加減を調整したり、バランス感覚が養えます。
介護現場で楽しめるレクリエーションの3カ条
安全かつ快適に実施する
介護現場でのレクリエーションを企画するときには、利用者の転倒やケガに注意します。無理な動きをしてケガしてしまうと、今後の日常生活に影響を及ぼすので危険です。
とくに、福祉用具の点検を必ずチェックしましょう。車いすは移動のための道具です。運動を目的に作られていないため、車椅子に座ったままの状態で動きのあるレクリエーションを行うのは危険です。できる限り椅子に移すなど、安全対策(転倒リスクを回避、身体状況の確認)を万全にします。すぐにサポートができるよう近くにスタッフを配置しておくと良いでしょう。
利用者の尊厳を守る
レクリエーションを行う際は、利用者の意思を尊重し、無理に参加を促すことはやめましょう。気分ややる気はその日によってムラがあるもの。気分がすぐれないまま決行してしまうと、レクリエーション自体に嫌気が差し遠ざけてしまうこともあります。
もし、ゲームに参加できなくても、「あなたがこの場にいてくれることが、みんなにとって大切なんだ」と感じて頂けるような声掛けがポイントです。他の介護サービスと同様に、きちんと丁寧語や敬語を心がけましょう。
スタッフみんなで楽しむ
スタッフが率先してゲームを楽しむことも大切です。楽しさが利用者に伝わり全体が楽しく盛り上がります。進行する人が緊張していたり、うまくできるか不安になっていたりすると、ゲームに気後れしてしまいます。スタッフが失敗例を見せて笑いを誘うと、和やかな雰囲気になるでしょう。
まとめ
座ってできるレクリエーションは、重度の利用者も楽しく参加できます。どのレクリエーションにするか決める上でもっとも重要なのは「誰でも安心して取り組める」ことです。安全対策を万全にし、スタッフも楽しみながら行いましょう。進行が予定どおりに進まなくても、楽しい思い出になり、リフレッシュできれば成功といえるでしょう。
ちょっとしたアレンジを加えて、さらにイベントを盛り上げることも可能です。いろんな方が参加しやすいレクリエーションを取り入れ、ぜひ楽しんでもらいましょう。
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